Pezhham Akhavass

昨日に引き続きトンバクです。もうちょっとスタンダードな演奏をご紹介。


“tombak”で検索すると上から2番目に出てくる動画なので
とても有名な演奏ですが、演奏が素晴らしいので掲載。

まず演奏を聴いてぱっとわかるのは、エコーです。
もちろんPAによるエフェクト(リバーブ)もかけていますが、
あたかもエコーのように、だんだん音が小さくなっていくのは、これは人力です。
私は勝手に人力エコーと呼んでいます。
ダラブッカの演奏でこういう効果を出す人はあまり見ないんですが、
トンバクでは割とポピュラーなテクニックのようで、使う人も多いです。
なんというか、神秘的な感じが出ますよね。神聖感が。
会場の雰囲気とかもありますし、音質がいいおかげもありますが、
まあでもこのテクニックはなかなか使えます。

あと、もうひとつ特徴的なテクニックがあります。
2:04-2:12のあたりを再生してみましょう。
「タタタタタタタタタ・・・」と音が連続しながら、だんだん音程が下がっていきますね。
これもトンバクに特徴的なテクニックです。
要は、打面のふちの方から、だんだん叩くポイントを打面の中心に近づけていく、
という技です。それによって高音から低音に、グラデーション的に音が変わっていく。
これもなかなか神秘的な感じがします。

今うっかりキーワードが出ましたが、「グラデーション」。
Pezhham Akhavassの音楽美学のひとつは、グラデーションということなんじゃないでしょうか。
エコー効果による、大きい音から小さい音へのグラデーション。
そしてもうひとつの、高音から低音へのグラデーション。
これはもう打楽器というより、弦楽器や管楽器が考えるようなことです。
あたかもメロディーを演奏するように打楽器を演奏している。
しかも、打楽器ならではのアタックの強さも活用している。
エコーで小さくなったかと思ったら、急にハッとするような強い音を持ってきたりして、
驚きや意外性もある。
そのあたりが、彼の演奏のすごさなのかなあ、と思ったりします。

つい文章が長くなりました。
ほかの演奏も紹介しましょう。

音質はさっきとだいぶ違いますが、雰囲気的には似ています。
というか、いくつか同じフレーズが入っています。

弦楽器とダンスとの競演。
この弦楽器はタールといいます。イラン音楽ではよく使われます。
トンバク以外にフレームドラムもちょっと使っていますね。

コメントを残す